イラスト:笑顔でピースサインを見せる若い女性
若い女の子にカメラを向けて「笑って」と声をかけると、
高い確率で、顔の横に指でV字を作り、満面の笑顔を返してくれる。
まるでアイドルのワンシーンのようで、
こちらまで少し幸せな気分になる瞬間だ。
その愛らしさに惹かれて、
私のイラストフォルダにも
“ピースサインの女の子”がどんどん増えていった。
資料は豊富。描きやすい。何より可愛い。
売上も、まあ悪くない。
……のだが、
数に対しての売上は、なぜか伸びきらない。
量産したわりに、跳ねない。
そんな不思議な立ち位置の存在でもある。
そもそも、
ピースサインって、何なのだろう。
ピースサインは英語で V sign。
Victory(勝利)のVが語源と言われている。
だが、日本で
「写真を撮るときの定番ポーズ」として定着したのは1970年代。
由来には諸説ある。
アイドル文化の影響
CMの影響
フラッシュを避けるためのポーズ
どれもそれっぽいが、決定打はない。
ただ一つ確かなのは、
写真を撮るときにピースをする文化は、ほぼ日本だけ
ということだ。
海外で同じことをすると、
「なんで勝利宣言してるの?」
と不思議がられることもあるらしい。
つまり、
ピースサインは
“日本の写真文化そのもの”
と言っていい。
理由はいくつか考えられる。
とりあえず可愛く見える
手の位置で顔が小さく見える
ポーズに迷ったときの万能手段
アイドル文化の刷り込み
SNSで「盛れる」定番
要するに、
ピースサインは
「可愛さのテンプレート」なのだ。
イラストでも人気があるのは、
むしろ当然と言える。
ピースサインのイラストは可愛い。
需要もある。
だが、
量産したからといって売上が爆発するわけではない。
理由はシンプルだ。
ピースサインが
あまりにも“ありふれているから。
写真でもイラストでも、
「ピースサインの女の子」は定番中の定番。
競合が多く、差別化が難しい。
売れる。
でも突出しにくい。
そんな
“優等生だけどトップにはなりにくいジャンル”
なのである。
手の甲を外側に向ける
→ 日本で一般的なピース
手の甲を相手に向ける
→ イギリスでは侮辱のサイン
(中指を立てるのと同レベル)
つまり、
日本のピースサインは
”世界基準ではかなり特殊な“平和表現なのだ。
ピースサインの女の子は、
描いても、撮っても、やっぱり可愛い。
永遠の定番ポーズだと思う。
定番であるがゆえに、競争は激しい。
売上も、ほどほどだ。
それでも私は、
カメラを向けたときに返ってくるあの笑顔を見るたび、
「やっぱりピースサインっていいな」と思ってしまう。
イラストの売上はさておき、
あの瞬間の愛らしさこそが、
ピースサイン最大の魅力なのかもしれない。